揺れる名門・東京農大ボクシング部、活動再開と王座奪還への全真相
夕暮れのジム。鏡に向かってシャドーボクシングを繰り返す主将のジャブは、以前にも増して鋭さを増していた。部員全員が一堂に会するミーティングの後、彼は記者のマイクに重い口を開いた。
「試合に出られない期間、自分がなぜボクシングをしているのかを毎晩考えました。逃げ出したいと思った仲間もいた。でも、支えてくれた家族や関係者の顔を思い浮かべたとき、リングの上で変わった姿を見せることしか恩返しの方法はないと気づいたんです」
フライ級からライト級まで、各階級に揃う高校チャンピオン経験者たちも、練習環境の変化に確かな手応えを感じている。自律的なトレーニングが課されるようになったことで、個々の戦術眼と主体性が劇的に向上した。孤独な暗闇を抜けた若き拳士たちは、かつてない結束力で結ばれている。