京都宇治の異境・萬福寺が放つ明朝の祈りと最新特別拝観の全貌
境内に一歩足を踏み入れれば、均整の取れた左右対称の伽藍配置に目を奪われる。大雄宝殿や天王殿、法堂など主要な堂宇が屋根付きの回廊で結ばれ、黄檗山萬福寺重要文化財建造物群として国から高い評価を受ける建造物が一堂に会する。
これらは日本の伝統的な和様や唐様とは一線を画す、純然たる明朝様式仏教建築だ。堂内の配置も独特で、布袋寅(ほてい)の姿をした弥勒菩薩像や、異国情緒あふれる四天王像、韋駄天像が安置され、堂内を巡るだけで東アジアの美意識の頂点に触れることができる。幾何学的な木組みの構造美と開放的な空間設計は、建築ファンにとっても尽きない魅力を放っている。