織田裕二の熱狂から新時代へ——「世界陸上」を彩った司会者たちの変遷と、2026年に問われるスポーツ中継の未来
2022年オレゴン大会を最後に織田と中井が卒業を発表した際、テレビ業界のみならず視聴者の間にも大きな動揺が走った。「あの熱気のない世界陸上など考えられない」という声が相次ぐ中、翌2023年のブダペスト大会でTBSが選択したのは、特定の「顔」を作らない群像劇スタイルの新体制だった。
室伏広治や松岡修造といったアスリート出身者をスペシャルプレゼンターに据え、TBSの実力派アナウンサー陣がガッチリと脇を固める配置。カリスマ的司会者の一言に頼るのではなく、競技の専門的分析やマルチ角度からの現場リポートに重きを置くシフトだった。熱狂から分析へ。この方向転換は、長年のファンに困惑をもたらす一方で、競技の本質を深掘りする新たな視聴体験の芽を育てることとなった。