猛毒なのにふぐを食べる理由とは?歴史の真実と旬の極上部位を徹底解剖
ふぐの王様と称されるトラフグは、頭から尾ひれまで余すところなく味わえる稀有な高級魚です。その魅力を最大限に引き出す伝統的な調理法と、部位ごとの特徴を知ることで、食事の満足度は格段に跳ね上がります。
職人の包丁捌きが光る「てっさ」(ふぐ刺し)は、当たると死ぬ=鉄砲という隠語から名付けられました。ふぐの身は繊維が極めて強靭なため、厚切りでは噛み切れません。そのため、皿の絵柄が透き通るほどの極薄に引き、2〜3枚を箸ですくい取って自家製ポン酢、紅葉おろし、寸胴ねぎ(安岡ねぎ)を巻いて食べるのが本流のスタイルです。
一方、骨付きのアラや身を昆布出汁で野菜とともに煮込む「てっちり」(ふぐちり鍋)は、熱を通すことでふぐのコラーゲンと旨味エキスがスープへ溶け出します。さらに、ゼラチン質が豊富な皮(サメ皮、本皮、身皮の三層)を湯引きにした「皮刺し」の小気味よい歯触りや、旨味が凝縮した締めのだし雑炊まで、一切の無駄なく味わい尽くすのが醍醐味です。