「うろ覚え」と「うる覚え」正しいのは?語源と誤用の理由を徹底解説
なぜ不確かな記憶のことを「うろ覚え」と呼ぶのか、その起源を探ると日本語の持つ豊かな情景描写が見えてきます。「うろ覚え」を漢字で書き表すと「空ろ覚え(あるいは虚ろ覚え)」となります。
この「空ろ(うろ)」とは、大木にできる洞(ほらあな)や、中身が抜け落ちて中空になっている状態を意味する古語です。心が虚無感に包まれることを「心がうつろ(虚ろ)になる」と言いますが、「うろ」と「うつろ」は同源の言葉にあたります。
つまり「空ろ覚え」とは、「輪郭や外枠だけは残っているものの、肝心の中身がすっぽり抜け落ちて中空になっている記憶」を指しています。「完全に忘れたわけではないが、詳細が定かではない」という人間の曖昧な記憶状態を、木の幹にぽっかりと空いた洞に例えたのがこの語源と由来です。