甲子園を揺るがした松井秀喜5打席敬遠の深層!勝敗を分けた真実
あの日、阪神甲子園球場のスタンドを支配したのは、期待が失望へと反転した瞬間の生々しい熱量だった。第74回全国高校野球選手権大会の2回戦。星稜の4番・松井秀喜が打席に入るたび、球場全体が固唾を飲んだ。しかし、明徳義塾バッテリーが選んだのは勝負ではなく、徹底した敬遠策だった。
打席を外して立ち上がる捕手。1球もストライクゾーンに来ないボール。1打席目、2打席目と敬遠が続くにつれ、スタンドの空気はざわめきから苛立ちへと変わり、終盤には怒声へと変貌していった。松井は一度も感情を表に出すことなく、静かにバットを置き、一塁へと走った。その泰然自若とした姿が、皮肉にも周囲の興奮と異様な対比を生み出していた。