会津若松の炭火が語る発酵の奇跡——創業190余年「満田屋」で味わう、五感を揺さぶる伝統味噌田楽の最前線
満田屋のメニューの中でも特に異彩を放ち、食通たちを唸らせているのが「身欠きニシン」の田楽だ。内陸部に位置する会津地域において、乾物である身欠きニシンは貴重なタンパク源であり、歴史的な保存食文化の象徴でもあった。
じっくりと戻されたニシンに、自家製の山椒味噌をたっぷりと塗り、炭火でじっくりと炙る。ニシンから染み出る芳醇な脂と、山椒の爽快な風味が重なり合い、酒乗り抜群の深遠な味わいへと昇華する。一口食べれば、会津の先人たちが厳しい冬を乗り越えるために生み出した知恵と工夫の歴史が、ダイレクトに舌へと伝わってくる。