映画『天気の子』レビュー!賛否両論の理由と結末の衝撃を徹底考察
『天気の子』には、物語の深みを倍増させる多くの伏線と裏設定が緻密に配置されています。その代表例が、編集プロダクションを営む大人・須賀圭介の心情描写です。
須賀は愛する妻・明日花を過去に亡くしており、帆高の姿に若き日の自分を重ね合わせています。警察から帆高について尋ねられた際、無意識に涙を流したシーンは、かつて自分は諦めてしまった「大切な人を救うための無謀な足掻き」を、帆高が成し遂げようとしていることへの痛切な共鳴でした。廃ビルで帆高を制止しようとしながらも、最終的に警察官にタックルして帆高を逃がした行動は、須賀自身の魂の救済でもあったのです。
また、劇中には『君の名は。』の主人公である立花瀧と宮水三葉がサプライズ登場し、劇場を大いに沸かせました。瀧はお盆の晴れを依頼した老婦人・立花冨美の孫として登場し、三葉は帆高が陽菜への誕生日プレゼント(指輪)を買ったジュエリーショップの店員として描かれています。気象神社の神主が語る「人間が天気をどうこうしようなんてのは、最初からおこがましい」という自然観も、ラストの東京水没を運命論的に裏付ける重要な伏線となっています。