中島みゆきの弟は医師だった——名曲の陰に潜む「医療一家」の系譜と命を紡ぐ言葉の真実
中島家に大きな試練が訪れたのは、みゆきがデビュー間もない1970年代半ばのことだった。父親である資雄氏が脳溢血で倒れ、長い闘病の末にこの世を去ったのである。一家の大黒柱を失ったショックは計り知れず、当時まだ医学生あるいは若手医師の道へと進んでいた弟を支えるため、彼女は歌手活動に全力を注いだと言われている。
名曲『時代』は、父の危篤や死という絶望の淵で生まれたとされる説が根強い。悲しみのどん底にあっても「めぐるめぐるよ 時代はめぐる」と歌い上げた背景には、残された家族を守り抜き、弟の夢を叶えさせたいという長女としての強い覚悟があった。困難を共に乗り越えたからこそ、二人の絆は極めて強固なものとして結実した。