弘前が誇る漆黒の伝統!うちわ餅に人々が早朝から行列する理由
弘前市銅屋町。石畳の風情を残す通りに佇むのが、創業安政2年(1855年)という驚くべき歴史を誇る「戸田うちわ餅店」だ。幕末の動乱期から現在に至るまで、津軽地方の庶民に親しまれてきたこの店こそ、うちわ餅の代名詞として知られている。
もともとは武士の携行食や農作業の合間のエネルギー源として重宝された餅菓子。平たい団扇(うちわ)の形に似ていることからその名が付いたとされる。和菓子製造業の近代化が進み、多くの菓子店が機械化や保存料の導入に舵を切るなか、同店は毎朝未明から蒸籠で米を蒸し、杵でつきあげる昔ながらの製法を頑なに崩さない。この妥協なき姿勢が、今なお舌の肥えた地元民を唸らせている。