『パチンコ』が照らす歴史と現在地、揺れる魂のアイデンティティ
表層的なカルチャーの盛り上がりの裏で、当事者たちの意識はどう移り変わっているのか。今回、東京と大阪のコミュニティ拠点で長年活動を続ける関係者や、新世代のクリエイターたちにマイクを向けた。
かつて生活防衛と権利獲得の砦として機能してきた在日本大韓民国民団をはじめとする諸団体も、明らかな転換期を迎えている。関係者のひとりは、静かにこう語る。「かつては民族教育や国籍の保持が集団としての結束の証だった。だがいまの若者たちにとって、ルーツは“縛られるもの”ではなく、自己を構成する“豊かなグラデーション”のひとつに過ぎない」。本名と通称名の使い分け、国籍選択の現実、そして多文化が交差する家庭環境。独占取材から浮かび上がったのは、画一的な「枠組み」から解き放たれ、自分自身の言葉で立ち位置を再定義しようとする逞しい個の姿だった。