原発の街から次世代の拠点へ、御前崎が挑む観光と移住の構造改革
この変革の旗振り役を担うのが、市長の下村勝率いる御前崎市役所の新たな行政執行体制だ。エネルギー政策の不確実性が続くなか、特定の産業構造に過度に依存してきた財政モデルを見直し、自主財源の確保と産業の多角化を急ピッチで進めている。
御前崎市役所の内部では、縦割り行政を打破するためのプロジェクトチームが複数立ち上がり、民間企業からの出向者や地域おこし協力隊との協働が日常化した。地域報道・行政ドキュメンタリーなどを通じて可視化されるその政策決定プロセスは、閉塞感を抱える全国の地方自治体からも注視されている。
下村市政が掲げるのは、徹底した情報公開と市民対話による合意形成だ。巨額のインフラ更新費用を抱える中、どの事業を削り、どの未来投資にリソースを集中させるのか。市民集会では時に厳しい怒号が飛び交うこともあるが、現実から目を背けない徹底した対話姿勢が、市民の当事者意識を徐々に呼び覚ましつつある。