四季が消える日本、猛暑と厳冬の「二季化」が変える暮らしの全貌
世界的な科学的知見を結集した気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が取りまとめた「IPCC第6次評価報告書」は、人間の活動が大気、海洋、および陸域を温暖化させてきたことに「疑う余地がない」と断定した。この気候物理学の基礎を築き、ノーベル物理学賞を受賞した眞鍋淑郎氏の初期モデルが警告していた予測は、数十年を経て寸分の狂いもなく現実のものとなっている。
大気中の二酸化炭素濃度が上昇し続けるシナリオにおいて、温帯域の季節サイクルがいかに破壊されるか。眞鍋氏の先駆的な研究が示した通り、地球全体の熱循環が変化することで、偏西風の蛇行が常態化し、極端な気象が同じ場所に居座り続ける現象が頻発している。これが、記録的な猛暑の長期化と、その直後に極端な寒気が流れ込む「二季化」の物理的メカニズムである。
世界平均気温の上昇を産業革命前と比べて1.5度に抑えるという国際目標は、もはや風前の灯火だ。最新の気候シミュレーションによれば、温室効果ガスの排出削減が劇的に進まない場合、今世紀半ばには東京の夏が半年以上続く一方、秋や春と呼べる期間はそれぞれ数週間程度にまで収縮することが示されている。