コートを去り拓いた新境地。狩野舞子が明かす引退後の覚悟と現在
名門・久光スプリングスでの躍進をはじめ、イタリアやトルコなど海外リーグへの果敢な挑戦。彼女のキャリアは、常に新しい環境への適応と、アキレス腱断裂をはじめとする選手生命を脅かす大怪我との果てしない戦いでもあった。並の選手であれば一度の受傷で心が折れても不思議ではない局面に、彼女は幾度も直面している。
それでもコートに戻り続けた理由は、純粋なバレーボールへの情熱に他ならない。異国の地で孤軍奮闘した経験や、リハビリ施設で自らの身体と対話し続けた時間は、後の指導観や解説者としての鋭い観察眼へと昇華された。自身の痛みを深く知る者だからこそ、他者の不調や苦悩に対して誰よりも温かな視線を注ぐことができるのだ。