ダルビッシュ有の弟たちの現在地!格闘技と闘病を越えた兄弟の絆
「ダルビッシュ」という稀代の名を背負うことは、想像を絶するプレッシャーを伴う。どこへ行っても長男の影がつきまとい、成功すれば「兄のおかげ」、失敗すれば「有の弟のくせに」と揶揄される。思春期の翔や賢太が、自らのアイデンティティを見失い、葛藤に苦しんだのは想像に難くない。
だが、彼らはその呪縛から逃げ出すのではなく、真正面から受け止めて乗り越えた。翔は自らの拳と商才で居場所を切り拓き、賢太は自らの肉体と命のドラマで人々の心を掴んだ。血筋という逃れられない運命を、自らを磨き上げる砥石へと変えたのだ。
この兄弟の歩みは、もはや一つの極上のスポーツノンフィクションと言っていい。光り輝くスタジアムの芝生の上だけが戦場ではない。病室のベッドの上でも、裏通りのオフィスでも、人間は尊く戦い、勝つことができる。彼らの生き様は、その真実を雄弁に物語っている。