『もののけ姫』包帯の病者はハンセン病?宮崎駿が明かしたタタラ場の真相
劇中でタタラ場を率いる指導者・エボシ御前は、森の神々を容赦なく切り倒す破壊者であると同時に、社会から弾き出された弱者を匿う革命的なリーダーとして描かれます。
エボシ御前は、売られた女性たちを買い取ってタタラ踏みの労働者として自立させ、さらに「業病」として世間から忌み嫌われ、家族からも見捨てられた包帯の病者たちをタタラ場の最も安全な奥の部屋で手厚く庇護しました。彼らに与えられた役割は、タタラ場を守るための新型火器「石火矢」の改良と製造です。
単なる同情や施しではなく、「職人としての誇りと役割」を与えて社会的に包摂するというエボシの姿勢は、彼らにとっての絶対的な救いでした。病者たちの長(オサ)がアシタカに向かって語る次の言葉は、作品屈指の名セリフとして知られています。
「エボシ様は、わしらを人として扱ってくださった唯一のお方だ。わしらの病を恐れず、腐った肉を洗い、布を巻いてくれた……」
このセリフには、患者を恐れ、排除してきた社会に対する強烈な告発と、人間の尊厳を認めることの尊さが凝縮されています。