安楽死は日本で認められるのか?命の自己決定権と法制化のリアル
日本の現行法において、医師が患者の命を意図的に終わらせる積極的安楽死は一切認められていない。現行の法制度では、たとえ患者本人の強い懇願があったとしても、医師が致死薬を投与すれば刑法第202条(嘱託殺人罪・自殺教唆罪)に問われ、刑事責任を追及される。過去の判例(東海大学病院事件や川崎協同病院事件など)が示した厳格な免責要件は存在しつつも、実質的に合法化への法的ハードルは極めて高い。
2026年を迎えた現在、世論調査では自己決定権を支持する声が過半数を占める局面も見られるが、国会での法制化に向けた動きは依然として慎重だ。「個人の苦痛を取り除く権利」を主張する推進派に対し、反対派は「社会的弱者への圧力(無言の同調圧力による死の強制)」や「医療・福祉のセーフティネットの放棄」につながる危険性を強く警告する。一度法律として認めてしまえば、経済的困窮や孤独を理由に自死を選ばざるを得ない構造を生むのではないか――この懸念が、法制化のブレーキを踏み続けさせている。