Nhk『人類誕生』徹底解説!ネアンデルタール人絶滅とサピエンスの謎
番組後半のクライマックスであり、視聴者の知的好奇心を最も刺激するのが「ネアンデルタール人の絶滅理由」と「ホモ・サピエンスの進化の歴史」です。
長年、屈強な体格と大きな脳(現代人以上)を持っていたネアンデルタール人がなぜ滅び、華奢なホモ・サピエンスが生き残ったのかは人類史最大のミステリーとされてきました。本作では、激しい気候変動に見舞われた約4万年前のヨーロッパを舞台に、両者の命運を分けた決定的な違いを浮き彫りにしています。
ネアンデルタール人は数家族程度の孤立した小集団で生活し、至近距離から大型動物に槍を突き刺す命がけの狩猟スタイルを続けていました。そのため怪我による死亡率が高く、集団間の交易や情報交換も限定的でした。
対するホモ・サピエンスは、投槍器(アトラトル)などの飛び道具を開発して安全に狩りを行い、骨で作った針で防寒性の高い服を縫い上げる技術を獲得。さらに数十人から数百人規模の広範なネットワークを築き、「言葉や象徴(アート・装飾品)」を用いて遠くの集団とも知識を共有していました。急激な寒冷化が訪れた際、この社会的な結束力と柔軟なイノベーションの差が、決定的な生存確率の違いを生み出したのです。
なお、番組内でも触れられている通り、ネアンデルタール人は完全に消え去ったわけではありません。サピエンスとの交雑を通じて、現代のアフリカ先住民以外のゲノム中にも約1〜2%のネアンデルタール人由来DNAが今なお受け継がれています。