中谷美紀と渡部篤郎が刻んだドラマ史の深層――伝説の共演から時を経て輝く二人の現在地
数々の共演を経て、二人はそれぞれの女優・俳優人生において大きな転換期を迎える。中谷美紀は映画『嫌われ松子の一生』での圧倒的な一人芝居で数々の主演女優賞を総なめにし、その後は舞台への挑戦や海外作品への出演など、活動の場を世界へと広げていった。ドイツ人音楽家との結婚を経て、オーストリアと日本を行き来するライフスタイルを確立させた彼女の演技には、しなやかさと洗練された国際的な奥行きが加わっている。
一方の渡部篤郎は、洗練された渋みと狂気を併せ持つ唯一無二の存在感を確立。主役から作品を引き締める重要なバイプレイヤーまで、多種多様な役柄を柔軟に演じ分ける名優として、日本のドラマ・映画界になくてはならないポジションを築き上げた。年齢を重ねるごとに増すダンディズムと、役柄の深みを鋭く穿つ眼光は、若い頃の鋭利な魅力から大人の円熟味へと見事に脱皮を遂げている。