クレヨンしんちゃんと動物の深い絆!名作秘話から最新配信まで
劇場版シリーズの中で、動物というテーマを最も真っ向から扱った傑作といえば、2009年に公開された第17作『映画クレヨンしんちゃん オタケベ!カスカベ野生王国』だろう。過激な環境保護団体が開発した「人類動物化ドリンク」により、春日部の人々が次々と動物に変身してしまうという強烈な設定が話題を呼んだ。
母・みさえは豹(ヒョウ)に、父・ひろしはニワトリに、そしてしんのすけ自身もセンザンコウへと姿を変えていく。真に恐ろしいのは、動物化が進むにつれて人間の記憶や親子の情愛まで失われていく点だ。野生の本能に呑み込まれそうになりながらも、母としての記憶を必死に取り戻そうとするみさえと、それを懸命に呼びかけるしんのすけの姿は、多くの観客の涙を誘った。滑稽な動物化設定の裏に潜む「人間性と親子の絆」という重厚なテーマ性は、今なおファンの間で語り継がれる屈指の名シーンだ。