2026年酷暑の日本列島で異彩を放つ「釧路」の気候:冷涼な避暑地への熱視線と気候変動がもたらす歪み
しかし、一見すると羨ましい限りの気候環境にも、確実に変調の兆しが現れている。近年の海水温上昇により、太平洋沿岸の親潮の勢力図が変化し、海霧の発生タイミングや期間が不規則になりつつあるのだ。
水産関係者は口を揃えて不安を漏らす。「海霧が出ない日が増えると、一時的に気温が25度を超えて水温も上がる。これまで獲れていたサンマやサケの回遊ルートが変わり、代わりにブリやフグが揚がるようになった」。冷涼な気象を支える海洋構造の変化は、釧路の基幹産業である水産業に構造的な揺さぶりをかけている。気象の「快適さ」と「生態系の危機」が背中合わせになっている現実は無視できない。