2026年、なぜ私たちは「50年前の北欧家具」に惹かれるのか——使い捨て時代を超えたヴィンテージ至上主義の現在地
アンティークを買うということは、その家具が歩んできた歴史ごと買い取ることに他ならない。経年変化によって深みを増した飴色の木肌(パティナ)は、新品の家具には逆立ちしても真似できない圧倒的な風合いを醸し出す。
日本の優れた修復職人たちの存在も見逃せない。削れすぎたパーツを同年代の古材から削り出して補修し、座面のウレタンや張地を北欧製の高級ウール生地に張り替える。構造的な強度は新品並みに戻しつつ、表面の美しい経年変化はそのまま残す。こうした熟練の手技によって、家具は第二の生命を得て新しい所有者のもとへと引き継がれていく。自らオイルを塗り込み、手入れをする時間そのものが、忙しない現代生活における贅沢なリフレッシュとなっている。