2026年秋、山形県で熊出没が急増中——市街地侵入の恐怖と地域防衛の最新現場を総力取材
なぜ、これほどまでにクマが人里へとなだれ込んでいるのか。最大の要因は、奥山におけるブナやミズナラなどドングリ類の極度な凶作だ。冬眠前の栄養補給に追い詰められたツキノワグマが、餌を求めて一か八かの賭けで人里へと下りてきている。
問題はそれだけにとどまらない。過疎化に伴う耕作放棄地の増加が、山と街の緩衝帯だった「里山」を消し去った。茂みが住宅地のすぐそばまで迫り、クマにとって隠れやすい「回廊」が完成してしまったのだ。一度人間の食料の味を覚えた個体は、警戒心を捨てて昼夜を問わず徘徊する。