【2026年現地ルポ】酷暑の聖地が変わる:甲子園を揺るがす二部制の進化と「データ野球」最前線
ひとりの大エースが大会を通じて千球近くを投げ抜く――かつて美談とされた光景は完全に過去のものとなった。1週間500球の投球数制限と義務付けられた登板間隔が定着した結果、現在の甲子園で勝ち上がるためには「最低でも4〜5人の実力派投手を擁する継投陣」が必須条件である。
監督らは投手の肘や肩に装着されたウェアラブルデバイスの数値をリアルタイムで監視し、疲労度が規定値を超えれば即座に継投へと動く。先発投手を5回までに抑えさせ、中継ぎ、抑えへと細かくバトンをつなぐプロさながらのタスク分担が定着した。
「エースひとりに重圧を背負わせない」という意識の定着は、選手の将来を守るだけでなく、ベンチ入りするより多くの部員に大舞台での経験をもたらしている。層の厚さとチーム全体の総合力こそが、トーナメントを勝ち抜く絶対条件だ。