「人生に疲れた」脳を休ませる技術|復調メカニズムと最新心理学
こうした個人の内面的な疲弊と虚無感は、時代を映す映像作品やポピュラーカルチャーのテーマとしても繰り返し描かれてきた。過酷な現実と向き合う若者の葛藤を描き、社会現象となった『新世紀エヴァンゲリオン』は、自己の存在価値を見失い、「動けない」状態に陥る主人公の姿を通じて、昭和から平成にかけての若者の精神的苦悩を鮮烈に浮き彫りにした。
一方で、近年のメディア空間における語られ方には変化が見られる。ピクサーの傑作アニメーション映画『ソウルful・ワールド』では、大きな夢や達成にとらわれすぎて自らを追い詰める現代人に対し、「生きていることそのものの美しさ」を再発見する視点が描かれ、世界的な共感を呼んだ。NHKスペシャルのドキュメンタリー番組やNetflixのオリジナルドラマでも、過剰適応に悩む世代の孤独やメンタルケアの重要性を巡る特集が相次いで制作されており、疲弊した心との付き合い方は社会全体で共有されるテーマとなっている。