アブとブヨの決定的な違い!刺された時の激痛と痒みを防ぐ撃退法
「刺された」と一口に言っても、両者が行っているのは蚊のような針の刺入ではない。皮膚を物理的に破壊して出血させ、にじみ出た血液をすする「咬血(こうけつ)」だ。しかし、そのプロセスと人体が受けるダメージのタイムラグには致命的な差異がある。
アブの攻撃は力ずくだ。ハサミのような大あごで皮膚を文字通り切り裂く。皮膚を裂かれた瞬間に神経がダイレクトに刺激されるため、誰しも反射的に飛び上がるほどの鋭利な激痛が走る。出血量も多く、その場ですぐに攻撃を受けた事実に気づく。毒性は比較的弱いため、強い痒みや腫れは数日程度で引いていくケースが一般的だ。
恐ろしいのはブヨである。ノコギリ状の微小な口器で皮膚を削り取る際、唾液に含まれる麻酔成分と抗凝固物質を同時に注入する。噛まれた瞬間は痛みをほとんど感じないか、わずかなチクリ感で済んでしまう。異変が起きるのは半日から翌日以降だ。注入された唾液毒素に対してアレルギー反応(遅発型過敏反応)が爆発的に引き起こされ、患部は熱を持って赤く硬く腫れ上がる。激しい痒みと鈍い痛みが1〜2週間にわたって続き、体質によってはリンパ節の腫れや発熱を伴うことすらある。