愛人9人と妻が結託!黒い十人の女の衝撃結末と歴代の魅力解剖
『黒い十人の女 (1961年の映画)』を手がけたのは、巨匠・市川崑。そして脚本を担当したのは、公私ともに彼のパートナーであった和田夏十だ。和田の研ぎ澄まされた筆致は、男女の欺瞞を一切の感傷なしに切り刻む。テンポよく交わされる冷笑的な会話、日常会話の裏に潜む鋭利な刃物のような言葉の数々は、当時の日本映画界に強烈な衝撃を与えた。
大映が誇る銀幕のスターたちが集結した本作は、映像演出の面でもアヴァンギャルドの極致を行く。光と影を極端に対比させたモノクロームの画面設計。計算し尽くされたタイポグラフィのような構図。10人の女優陣が放つ妖艶な美しさと、逃げ場を失っていく男の情けなさが、コントラスト豊かにスクリーンへ刻み込まれている。