アンナチュラル犯人の正体と動機!赤い金魚事件の結末と伏線全解剖
最終盤のサスペンスを加速させたのは、証拠隠滅の周到さだった。高瀬は最後の標的である糀谷ユキコの遺体を土葬にし、ホルマリンが検出されないよう細工を施していた。さらに宍戸は硫酸を使って決定的な物証を溶かし、完全犯罪を成立させようと目論む。絶望的な状況下で、中堂は私刑による復讐を決意し、毒薬を手に宍戸を追い詰める。
その暴走を押しとどめたのが、ミコトの徹底した「法医学者としての矜持」だった。感情に任せた復讐は、不条理に命を奪われた死者への侮辱に他ならない。ミコトは法廷において、高瀬の歪んだプライドを科学の言葉で完膚なきまでに打ち砕く。
「母親の支配から逃れられず、同じことを繰り返す哀れな男」。科学鑑定の冷徹な事実を前に、自らの“完全犯罪”という芸術を否定された高瀬は激昂し、自ら26件の殺害を自供するに至った。暴力ではなく、言葉と科学が怪物を屈服させた瞬間である。