安田講堂の熱狂と三島由紀夫の激論が現代に突きつける生きた問い
封印された記憶が再び覚醒したのは、TBSテレビの倉庫で奇跡的に発見された13本のフィルムがきっかけだった。2020年に公開されたドキュメンタリー映画『三島由紀夫vs東大全共闘〜50年目の真実〜』は、高精細に修復された4K映像と当事者たちの回顧インタビューを交え、大きな興行的一撃となった。
現在ではU-NEXTやNetflixといった大手ストリーミング配信を通じて、このドキュメンタリー映画はデジタルネイティブのZ世代にも広く視聴されている。SNS上での分断や言葉の軽薄化に疲弊した若い視聴者たちは、相手の言葉を一言も聞き漏らすまいと耳を澄ませ、知性を総動員して対峙する当時の若者と三島の姿に、失われた「真摯な言論の力」を見出している。半世紀前のフィルムが放つ熱量は、画面越しに今を生きる人々の胸を容赦なく刺し貫く。