坂本龍馬の身長は180Cmあったのか?遺品と最新史料が暴く真相
では、なぜ私たちは坂本龍馬に対して「180cm超の豪傑」という強固なイメージを抱くようになったのか。その背景には、昭和から平成にかけて定着した歴史エンターテインメントの強大な影響力がある。
最大の立役者は、国民的作家・司馬遼太郎による名作『竜馬がゆく』だ。作中で描かれるダイナミックで大陸的なキャラクター造形、闊達自在に時代を闊歩する男の姿は、読者の脳裏に「雄大な大男」としての輪郭を焼き付けた。幕末時代劇・歴史ノンフィクションの潮流が広がるにつれ、文学的アイコンとしての龍馬は実物以上に巨大化していった。
決定的な視覚イメージを決定づけたのが、NHK(日本放送協会)が制作した2010年の大河ドラマ『龍馬伝』である。主演を務めた福山雅治は公称身長181cmのスタイリッシュな体躯を誇り、泥臭さと知性を併せ持つ圧倒的な龍馬像を画面狭しと体現した。高身長のカリスマ俳優が演じる姿が広く浸透したことで、現代人の記憶の中で「龍馬=長身の偉人」という図式が不動のものとなった。