北の国から雪子役・竹下景子が明かす撮影の舞台裏と現在の活動
ドラマ史を振り返る上で、井関雪子というキャラクターの特殊性は際立っている。富良野の厳しい大地に根を下ろそうと泥にまみれる黒板五郎たちに対し、雪子はどこまでも「都会から逃げてきた女」としての影を色濃く残していた。華やかなアパレル企業で働きながらも不倫関係に傷つき、救いを求めるように北の町へと身を寄せた彼女の存在は、過酷な開拓生活を送る黒板家にとって一種の異邦人であり、同時に眩い憧れでもあった。
竹下景子がまとっていた「お嫁さんにしたい女優ナンバーワン」としての清潔感と知性は、この役柄において見事な緊張感へと昇華された。清純派のイメージを逆手に取るかのように、迷い、過ち、弱さを露呈する雪子の姿。その危うい佇まいこそが、過酷な自然描写に終始しがちなドラマへ深い陰影と生々しい人間の息遣いを与えていたのだ。