ちむどんどん脚本家が仕掛けた罠?賛否の真相と名作の系譜を追う
放送当時、毎朝のようにハッシュタグを用いた猛烈な批判や議論がネット上を席巻した。トラブルメーカーの兄・賢秀が引き起こす金銭問題、突飛にも思える暢子の料理人修行、唐突な人間関係の急展開。視聴者は苛立ち、画面に向かって激しい言葉をぶつけながらも、翌朝にはまたテレビの前に座っていた。
この異様な現象こそ、羽原大介の狙い通りだったのではないか。無菌室で作られたような無難なドラマは、確かに誰も傷つけない。だが記憶にも残らない。羽原が描こうとしたのは、清廉潔白な聖人君子ではなく、愚かで、自分勝手で、それでも血の繋がりや故郷の味を手放せない泥臭い人間たちだった。批判を恐れて角を丸めることを拒んだ筆致が、視聴者の生身の感情を直撃したのだ。