大戸屋「ガイアの夜明け」炎上から数年——激闘の買収劇を経て外食巨頭が辿り着いた「現場主義と効率化」の現在地
買収完了後、業界関係者の多くが「大戸屋から手作りの味わいが消える」と危惧した。コロワイドがセントラルキッチン(中央工場)を活用し、下ごしらえを共通化することで大幅なコスト削減を図ろうとしたからだ。
しかし、顧客の離脱を恐れた新経営陣は、全面的な工場集約という力技を回避した。カット野菜やスープのベースなど、品質に影響の少ない工程だけを精緻に標準化し、仕上げの焼き上げや煮込みは店舗で行うハイブリッド手法を模索し始めたのである。
理想論だけでは成り立たない。かといって完全な省力化ではファンが離れる。この二律背反に対する泥臭い試行錯誤が、買収後の数年間にわたって人知れず繰り返されていた。