大女優・岡田茉莉子の現在|吉田喜重監督との愛と激動の半生を追う
東宝でキャリアをスタートさせた岡田茉莉子ですが、1954年に松竹へ移籍したことでその才能はさらに大きな飛躍を遂げます。有馬稲子、岸惠子らと共に「松竹三姉妹」と称され、松竹映画の屋台骨を支える看板女優へと成長しました。
松竹時代の代表作として外せないのが、世界的巨匠・小津安二郎監督による『秋日和』(1960年)や『秋刀魚の味』(1962年)です。岡田茉莉子が見せる現代的で自立した女性像は、小津作品に新たな風を吹き込み、作品のリアリティを大いに高めました。
そして彼女のキャリア最大の転機となったのが、主演100本記念作品として自ら企画・プロデュースを手掛けた『秋津温泉』(1962年)です。藤原審爾の小説を原作に、過酷な宿命を背負ったヒロイン・新子を鬼気迫る演技で熱演。毎日映画コンクール女優主演賞やブルーリボン賞主演女優賞を総なめにし、名実ともに大女優の地位を不動のものとしました。