大杉漣が遺した表現の引力と語り継がれる名演の真実を追う全記録
映画界での名声を確立して以降、日本のテレビドラマ界においても欠かせない柱となった。数多の刑事ドラマで見せた取調室での重厚な掛け合い、人情味あふれるベテラン刑事から底知れぬ悪意を隠し持つ黒幕まで、物語の屋台骨を支える確かな職人芸を披露。彼が画面に登場するだけで、サスペンスの緊張感は一段と引き締まった。
2016年のメガヒット作『シン・ゴジラ』で見せた大河内総理大臣役も記憶に新しい。未曾有の危機に直面し、官僚たちの専門用語が飛び交う混乱の渦中で、苦悩しながら決断を下す国家元首の孤独と脆弱さをリアルに演じ切った。大作映画のスケール感に呑まれることなく、一人の人間としての実感を吹き込む手腕は、まさに熟練の極みであった。