児島湾が育む幻の青うなぎ!職人を唸らせる極上の味と生態の真実
華やかな美食の舞台の裏で、保護に向けた国際的な包囲網は年々厳しさを増している。ニホンウナギはすでに国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにおいて「絶滅危惧IB類(EN)」に指定されており、近い将来における野生絶滅の危機が叫ばれて久しい。
日本国内においても、水産庁によるシラスウナギ(稚魚)の採捕規制や、親ウナギの産卵回遊を守るための禁漁期設定が強化されている。天然資源への過度な依存から脱却すべく、人工種苗による完全養殖技術の実用化を急ぐ水産・養殖業の現場だが、野生の青うなぎが持つ複雑な肉質と環境適応力をタンクの中で再現することは、現代のバイオテクノロジーをもってしても未だ至難の業だ。伝統の食文化を享受する権利と、環境保全・絶滅危惧種の保護という地球規模の責務。両者の摩擦は、いま最も先鋭的な議論を生んでいる。