風味が落ちる原因は場所?オリーブオイルの酸化を防ぐプロの保管術
家庭のキッチンで最も見かける「コンロのすぐ横」や「電子レンジの周辺」は、オリーブオイルにとって最悪の環境と言わざるを得ない。調理のたびに生じる高熱と熱気が伝わり、ボトル内の温度が乱高下するからだ。また、明るい窓際や蛍光灯が常時当たるオープンラックも光酸化を著しく促進させる。
ならば冷蔵庫に入れれば安心かというと、それも大きな誤解だ。オリーブオイルは10℃以下になると白く固まり始め、凝固と解凍を繰り返すことで結露が生じ、水分の混入によって加水分解を招く。プロが推奨する理想の保管環境は、年間を通して14℃から18℃前後の一定した温度が保たれる暗冷所である。
日本オリーブオイルソムリエ協会の理事長を務める多田俊哉氏は、オイルの繊細な風味を損なわないための温度管理と遮光の徹底を強く提唱してきた。床に近い位置にあるシステムキッチンの下段引き出しや、日光が遮られたパントリーの奥深くだけが、品質を維持できる完璧な避難所となる。