高度成長を牽引した巨大世代の軌跡と社会保障クライシスの真相
集団就職列車に揺られて地方から大都市へと集まった若者たちは、日本の高度経済成長を現場の底から駆動する無尽蔵のエンジンとなった。終身雇用と年功序列という日本型雇用のレールに乗り、猛烈な労働時間を厭わず、ものづくり大国の看板を築き上げたのは彼らに他ならない。同期入社が何百人もいる環境で培われたライバル心は、企業間競争を苛烈にし、技術革新を加速させた。
同時に、彼らは最強の消費者でもあった。三種の神器から3C(カー、クーラー、カラーテレビ)へ、そして郊外のマイホーム購入へと突き進んだバイタリティは、巨大な国内市場を創出。流行を追い、同一規格の豊かさを全員で手に入れようとする旺盛な物欲が、流通や住宅、レジャーといった内需産業を次々と開花させていった。彼らが動けば市場が動く。日本のマスマーケティングは、まさにこの世代の購買行動とともに成熟したといえる。