高橋克也の17年逃亡劇|最後のオウム特別手配犯が抱えた空白の闇
逃亡生活の初期、同じく特別指名手配されていた菊地直子との共同生活は、逃亡犯同士の相互扶助であると同時に、互いの精神的な監視関係でもあった。埼玉県や東京都町田市などを転々とする中で、生活の些細な摩擦やすれ違いが表面化し、2000年代初頭に二人は決定的な袂を分かつことになる。
菊地との決別を経て完全な単独逃亡へと移行したことは、皮肉にも捜査機関による足取りの捕捉をさらに困難にした。二人でいれば生じる生活のノイズを完全に削ぎ落とし、自炊と労働の往復だけに限定された機械的な生活リズムを確立。他者との接触を極限まで断ち切った孤立無援の生活こそが、結果として彼の潜伏期間を17年にまで引き延ばす決定打となった。