格闘家が命を懸ける極限計量!水抜き減量の科学と最新リカバリー
人間の体重の約60%は水分で占められている。この膨大な「水」を短時間で強制排出させるのが水抜きの本質だ。まず標的となるのは、筋肉や肝臓に蓄えられたグリコーゲンである。炭水化物1グラムに対し約3グラムの水分が結合しているため、徹底した糖質遮断によってグリコーゲンを枯渇させるだけで、体格によっては2〜3キロの水分が一気に抜ける。
続いて行われるのが、サウナや半身浴、サウナスーツを着用した有酸素運動による強制発汗だ。さらに塩分(ナトリウム)の摂取量を極限までコントロールする「ウォーターローディング」を併用し、体内の浸透圧を狂わせて利尿作用をブーストさせる。ステージ上で皮膚が張り付いたような筋線維を競い合うボディビル競技や、昨今のフィットネス業界でも見られる手法だが、一歩間違えれば血液濃度が異常上昇し、心停止すら招く薄氷の作業である。