閣僚とは誰を指すのか?権限の裏側と大臣・副大臣の違いを解剖
かつて城山三郎の小説『官僚たちの夏』に描かれた時代、国家の青写真はエリート官僚の卓越した知性と省庁ごとの強固な縄張り意識によって描かれていた。各省の大臣は官僚が用意した答弁書を読み上げるだけの「お神輿」に過ぎないとしばしば揶揄されたものだ。しかし、2000年代以降の行政改革がその力学を根本から書き換えた。
最大の転換点は、各省庁の利害を越えてトップダウンで政策を総合調整する内閣府の権限強化と、内閣人事局の設置による高級官僚の人事権掌握だ。現代の公共政策・行政の現場では、官僚が政治家を操るのではなく、首相と官房長官、そして重要閣僚が霞が関の官僚組織を強力にドライブする構造へと変貌を遂げた。
だが、政治主導の行き過ぎは官僚の忖度や政策立案能力の低下という新たな歪みも生み出した。官僚の専門性を巧みに引き出しつつ、強大な権限を正しく行使できる政策通の閣僚がいま切実に求められている。