黒酢と三杯酢の決定的な違いとは?実は単なる酢ではなく調味酢!
行政の基準に目を向けると、この違いはよりいっそう明快になる。農林水産省が定める日本農林規格(JAS規格)において、「米黒酢」や「穀物黒酢」には厳密な定義が存在する。たとえば米黒酢の場合、1リットルあたり180グラム以上の米を使用し、長期間の発酵・熟成を経て褐色に変化したものだけがその名を名乗ることができる。
壺仕込みなどで1年から数年もの歳月をかけてアミノ酸を濃縮させる黒酢の製法は、まさに職人の時間と技術の結晶だ。一方で三杯酢は、JAS規格上は「調味酢」や「あわせ酢」の領域に分類される。酢に醤油や砂糖を合わせることで生まれる万能な味わいは、発酵の産物というよりも、日本の食文化が育んだ黄金比の配合技術によるものなのである。