黒革の手帖スペシャル!武井咲が魅せる悪女の逆転劇と結末の真相
テレビ朝日が長年培ってきた松本清張作品のドラマ化ノウハウは、本作においても遺憾なく発揮されている。昭和の時代背景に根差した原作小説のエッセンスを損なうことなく、IT時代の金融犯罪や現代社会の闇を巧みに織り交ぜた脚本は見事というほかない。
重厚なカメラワークと陰影に富んだ照明、そして金沢の雪景色と絢爛豪華な着物のコントラスト。視覚的な美しさとサスペンスの冷徹さが見事に融合し、上質なクライムサスペンスとしての品格を保っている。時代が移り変わっても色褪せない人間の業と欲望を、エンターテインメントの極致へと昇華させた手腕は、日本のテレビドラマ界における一つの到達点といえるだろう。