核のボタンは実在するのか?黒いカバンと米露発射手順の真相【2026】
アメリカの対陣営であるロシアにも、まったく同様の核指揮システムが存在します。ウラジーミル・プーチン大統領が外遊や軍事演習の際に側近に持たせている黒いブリーフケースは、コーカサス山脈の山名にちなんで「チェゲト(Cheget)」と呼ばれています。
チェゲトは、ロシア軍の最高機密指揮通信ネットワーク「カズベク(Kazbek)」に接続された携帯端末です。アメリカの「フットボール」が1つであるのに対し、ロシアのチェゲトは伝統的に「大統領」「国防相」「参謀総長」の3名にそれぞれ1基ずつ配備されています。核攻撃を発動するには、原則としてこれら3基のうち少なくとも2基以上から承認シグナルが送られる必要があるとされており、指導者単独の暴走を抑止する仕組みが組み込まれています。
さらにロシアには、指導部が先制攻撃で全滅した場合に備えた最後の報復手段として、冷戦期に構築された「ペリメトール(Perimetr/通称:死の手・デッドハンド)」と呼ばれる自動(または半自動)報復システムが存在します。地震波や放射線センサーで国内の核爆発を検知し、最高司令部との通信が途絶した際、生き残った地下シェルターの当番将校に発射権限が自動委譲され、通信ロケットを介して全土のミサイルへ一斉発射指令を出すという戦慄のシステムです。