画面から消えた名優・小林稔侍の現在地、息子・健との絆と健康の真実
お茶の間が寂しさを覚える最大の要因は、間違いなく地上波テレビの編成変化にある。かつて『税務調査官・窓際太郎の事件簿』や『鉄道警察官・清村公三郎』など、看板シリーズを幾本も背負い、年間を通じて膨大なロケをこなしていた。事件の裏に潜む人間の悲哀を滲ませるあの芝居は、長尺ドラマの代名詞だった。
しかし、日本のテレビ・映画産業を取り巻く構造は激変した。2時間サスペンスドラマ枠の相次ぐ撤退と地上波のバラエティ・情報番組偏重。現場を支えてきた職人肌のスタッフやベテラン俳優たちが活躍する土壌そのものが、急速に縮小していった現実は否めない。
関係者によれば、オファー自体が途絶えたわけではない。ただ、彼自身が「自分が納得できる作品、魂を込められる役にしか立ち会わない」という強い選美眼を持っている。粗製乱造の現場には立たない。かつての熱気と良心を知る映画人だからこそ選んだ、毅然としたスタンスがそこにある。