街頭闘争からネット深層へ:しばき隊の現在と知られざる新証言
2013年初頭、東京・新大久保や鶴橋のコリアンタウンでは、排外主義を掲げる在日特権を許さない市民の会(在特会)による威嚇的なデモが頻発していた。従来の穏健な市民運動が有効な対抗策を打ち出せないなか、突如として路上に現れたのが「レイシストをしばき隊」だった。
仕掛け人となったのは、編集者・ライターの野間易通氏だ。彼らが持ち込んだのは、従来の左派運動に見られたプラカードを行儀よく掲げるスタイルではない。ストリートファッションに身を包み、相手を威圧するスラングで激しく糾弾する「直接行動(ダイレクト・アクション)」だった。この手法は瞬く間に注目を集め、若者やサブカルチャー層を巻き込みながら急速に膨張していった。
怒りには怒りを、暴力的な言辞には圧倒的な数と音圧を。この苛烈な対抗姿勢は、排外主義デモを物理的に封じ込める成果を上げた一方で、激しい摩擦と社会的な賛否両論を巻き起こすこととなった。