金融庁の伝説・森信親元長官の改革と現在|地銀再編と退任の真相
2018年7月、3期3年にわたる激動の任期を終え、森氏は長官職を遠藤俊英氏(当時監督局長)へ引き継ぎました。
退任の理由として、一部では地銀界や地方の有力政治家からの反発、あるいは「4選」による組織の硬直化を懸念した政治判断など様々な憶測が飛び交いました。しかし実際には、「金融行政の枠組み転換という自らの使命に一定の区切りをつけ、後進へバトンを渡すため」の計画的な勇退であったと見られています。
歴代の金融庁長官の中でも、その評価と評判の高さは際立っています。「日本の金融行政を20年進めた名長官」と絶賛される一方で、急進的な改革姿勢に対しては「地銀の現場に過度な負担を強いた」「理想論が先行した」という現場目線での批判も一部存在しました。しかし、守りから攻めへと金融行政のパラダイムを根本から書き換えた実績については、金融界全体で異論の余地がありません。