京都モーニング最前線!老舗喫茶と隠れ家和朝食を巡る極上案内
千年の都に根付く朝の美学は、偶然の産物ではない。西陣織の職人や染め物師など、早朝から手を動かす職人たちが手軽にエネルギーを補給し、かつ上質な憩いを求めた歴史が、京都独自の飲食業・喫茶産業を力強く牽引してきた。その象徴ともいえるのが、1940年に猪田七郎が創業した株式会社イノダコーヒの存在だ。
ネルドリップで抽出される濃厚なブレンドにミルクと砂糖をあらかじめ加える伝統のスタイルは、忙しい職人へのもてなしの心から生まれた。朝一番の新聞を広げながら、いつもの席でいつもの味を口にする。京都の人々にとって、朝食は慌ただしい準備作業ではなく、一日の精神を整えるための神聖な儀式に他ならない。