井上尚弥と中谷潤人の世紀の対決へ!交渉の裏側と勝敗を徹底解剖
パウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングでもトップクラスに名を連ねる2人の激突は、ボクシング戦術の観点からも極めてスリリングな分析を可能にする。
井上尚弥の最大の武器は、電光石火の踏み込みから繰り出される左右の強打と、相手の攻撃をミリ単位でかわす卓越したポジショニングだ。特に相手のガードの隙間を正確に射抜く左フックや、相手の戦意を根こそぎ奪うボディブローは、いかなる対戦相手にとっても悪夢そのものである。
対する中谷潤人は、サウスポースタイルから放たれる長大な右ジャブと、接近戦でも威力を発揮する独特の角度のアッパーカットを持つ。相手の距離の外から一方的に打ち込むアウトボクシングだけでなく、懐に入られた瞬間にカウンターを合わせる空間把握能力は天才的だ。
序盤のペース争いでは、中谷のリーチを井上がいかにステップワークとフェイントで掻い潜るかが焦点となる。中谷が長い距離をキープして井上の前進を止められれば中盤以降の主導権を握る可能性がある一方、井上が一瞬の踏み込みでインサイドに入り込み強烈なプレッシャーをかければ、一撃で試合の均衡が崩れる危険性を常に孕んでいる。1ラウンドたりとも瞬きが許されない究極の神経戦が繰り広げられるはずだ。