敬遠策は本当に勝率を上げるのか?データと名将の決断を徹底解剖
ボールを4球投げる儀式は過去のものとなった。メジャーリーグベースボール(MLB)が2017年に、そして日本野球機構(NPB)が2018年に採用した申告敬遠(インテンショナル・ベースオンボールズ)は、試合のペースを劇的に速めた。監督が審判に合図を送るだけで打者は即座に一塁へ送られる。
このルール改定によって消え去ったものもある。投手の暴投や捕手の捕球ミス、あるいは外角へ外したボールに無理やり飛びついてヒットゾーンへ運ぶ奇跡的なバッティングだ。アクシデントの余地を完全に排除したシステムは、敬遠を純粋な「計算上のリソース管理」へと昇華させた。無駄な球数を抑え、投手の肩を守る実利的なメリットは大きい。一方で、スタジアムに漂っていた独特のざわめきや、4球の間に繰り広げられたベンチ同士の腹の探り合いは、無機質なシグナルへと置き換わった。